サンフランシスコの脱力系オルタナパンク、Culture AbuseのEpitaph移籍後初となるフルアルバム”Bay Dream”をレビュー。
前作のオルタナ×グランジ×ガレージパンクといった感じからスタイルを変えてきてびっくり。ベクトルは同じなんやけど、鈍い音でズシっと攻めるパンク感はどこへやら、徹底的に力を抜いた爽やかでポップな仕上がりの曲が並んでいる。
最初に聴いたときは、バンドの良さであるクセが薄まってしまったなっていうのが正直な感想やったけど、繰り返して聴いてるうちに味がしてきた。メロディや曲の構成はシンプルなんやけど、ノスタルジックなギターの音や、電子ピアノ、オルガンといった味付けが、この作品で新たに出てきたCulture Abuseらしさをプンプン匂わせてくるからかな。
思えばWavvesとのコラボ曲を発表したあたりから、一気にポップミュージックへの傾倒が強く見られただけに、今回の作風もそういう観点からみれば予想の範囲内。あと、過去にJimmy Eat WorldやParamoreを手掛けているCarlos de la Garzaがプロデュースしてるってのも、今回の変化に一役買ってるのかも。
タイトルにもあるように、聴いてるとビーチの光景が目に浮かぶ夏にピッタリのアルバム。前作からのファンはサラっとしすぎてるって最初は感じちゃうかもやけど、何のストレスもなしに聴ける気持ちいい作品です。