カナダのパンクロックバンドPkew Pkew Pkewの2ndアルバムをレビュー!
海外音楽メディアのThe Alternativeが「4枚目のアルバムのように感じる」って表現してたけど、それ以上にこの作品を端的にわかりやすく表現する言葉はないのではっていうぐらい。
SideOneDummyから再発もされたデビューアルバムは、これでもかと突っ走るストロングスタイル。「元気いっぱい」っていう言葉がぴったりでした。
でも2ndアルバムは急にどうしたの?ってぐらい成熟した音楽性に。成熟よりは落ち着いたっていう表現の方が的確ですかね。
1stアルバムにおけるバンドの代名詞的存在の全ガロングスタイルはどこへやら、曲によってメインのボーカルを変えるスタイルに。正直いうと、全ガロングスタイルが好きやった自分としては、最初聞いたときはちょっぴり残念でしたけどね。
落ちつきと同時に手に入れたのは、楽曲の幅。アルバムから最初に先行して公開された#2″I Don’t Matter At All”はオールドスクールなパワーポップを感じるイントロやし、続く#3″Point Break”では盛り上がるところでホーンセクションを入れてくるし、作品としてのつながりと持たせながらもどんどんと新しい顔が登場するのが聞いてて楽しいです。
作品の中で一番好きな曲は、#6の”The Polynesian”。成熟や落ち着きを手に入れたバンドとして、もっとも正当な進化を感じる曲やからってのが理由です。他にも#4″Drinkin’ Days”や#7″Skate 2″のように、キャッチーさと哀愁がいいバランスで配合された楽曲が多くて、噛めば噛むほど味が出てきます。
PUPやDirect Hit!のような路線で突き進むのかなと思いきや、Iron ChicやThe Menzingersの要素も感じる音楽性へと進化した今作品。名前を挙げたバンドが好きな人にはもちろん、キャッチーで聴きやすいパンクロックが好きな人全員にチェックして欲しいですね。
パンクロックが多様化して「これがパンクロックだ」ってみんなが共通して指し示す音楽がなかなかない今日ですが、結構真ん中の方をズバっと通してきた感のあるアルバムやと思います。