Epitaph移籍後初のフルアルバムとなる、 New Jerseyのエモ/ポップパンクバンド、Save Faceの新作”Merci”をレビュー。
もともとエモと呼ばれる音楽に影響を受けてきたポップパンクバンドが次々と増えてきた。最新作で大きな変化を見せたThe Wonder Yearsがそうやし、エモの聖地とされるシカゴで活動するReal FriendsやKnuckle Puckもだんだんとエモーショナルな要素が強くなっている。
面白いのが、そういうバンドに影響を受けて「エモ×ポップパンク」をやるバンドが増えてきてるということ。ただ、こういうバンドは表面だけすくいとったようなサウンドに感じ、ルーツも見えてこない。
何が言いたいかというと、Save Faceっていうバンドはそういう新しく出てきたバンドやっていう勝手な思い込みがあった。だからこそ、Epitaphとの契約に驚いた。そんなことになっているのか今のこの辺りのシーン状況は、って。
ただ、アルバムを聴いて、自分が勝手に思ってたイメージと全然違うことがわかった。そもそも、2人組やったはずやのにフルバンドになっていたし。センセーショナルなナンバー#2″Bad”はやんちゃで骨太なパンクロック。エモーショナルなポップパンクバンドからというよりは、PUPやPrince Daddy & The Hyenaみたいなバンドと共鳴する感じ。イントロにビリビリっとやられた。
アルバム全体に漂うのはキラキラ感。古くはDrive Thru、今でいうとTriple Crownのバンドって形容が一番分かりやすく説明できるかと。大衆受けする感じは、いわゆるポップパンクが好きな人にスルスルっと受け入れられると思う。でも、激しい曲にどことなく土臭さみたいなところも残っていて、その絶妙なインディー感が確実にいい要素として作用してる。ロックですね。
バンドの名刺代わりの一枚としては、これ以上ないってくらい極上のアルバムに仕上がった作品。For fans of Every Pop Punk Bandな間口の広さなんで、ちょっとでも気になったらソッコーでチェックしてみてください。Epitaph RecordsのYouTubeチャンネルでは、全曲ミュージックビデオ付きっていうイカついフルアルバムストリームが行われています。