2023年の個人的ベストアルバムを紹介する記事を書きました。
10作品を選び抜いてリリース順に並べています。bandcampやSpotifyへのリンク、リリース元のレーベル情報も載せているので、ディグの参考にしてもらえると嬉しいです。
The Brokedowns “Maximum Khaki”(Red Scare Industries)
シカゴのメロディックパンクバンド The Brokedowns の久々となるアルバム。これまでは、こういうサウンドをFEST系パンクと呼んでましたが、この前書いた記事のリサーチで「Orgcore」と呼べばいいことを知りました。
新年を迎えて、今年は気になる作品を全部聞いてみるぞって意気込んでたタイミングでリリースされた作品なので、結果的に回数を聞くことになって、気づいたらハマってた印象です。1曲目のイントロの、ちょっとだけクセのあるメロディーで引き込まれたら最後、最後まで心の中で拳掲げて駆け抜けちゃいます。
Liquid Mike “S/T”(Kitschy Spirit Records)
2023年に出会った衝撃の一つ。Macseal や Dowsing に感じる、派手さはないけど落ち着くサウンドが体現されていて、すっかりお気に入りバンドになりました。
リモートワーク中の昼下がり、ちょっとずつ疲れも見え始めたタイミングで、このアルバムを聴きながら、「まぁ、ゆるゆるとやっていきましょうや」と気持ちを切り替えるのがルーティンになっていたこともあったなぁ。
MSPAINT “Post-American”(Convulse Records)
これまた2023年に初めて出会って衝撃を受けたバンドの作品。ハードコアパンクとエレクトロミュージックの見事な融合は、普段あまり幅広い自分の耳にもストライクで、ガツンとやられました。
「このアルバムを聴いてる自分って、なんかイケてるんじゃね」って酔える感じのサウンドなのが、またニクいんですよね。
The Bouncing Souls “Ten Stories High”(Pure Noise Records)
NJパンクロックの雄にして、オールタイムフェイバリットバンドの一つ、The Bounciun Soulsの最新作は、変化球なしの直球勝負で痺れました。
1曲目”Ten Stories High”のまっすぐ過ぎる歌詞、4曲目”True Believer Radio”の名曲たちを大胆にレップしたタイトル、10曲目”Higher Ground”の気持ち良過ぎる歌乗せ、全てがベテランバンドだからこそ成せる技で、最高以外の言葉が見つかりません。
Kicksie “Slouch”(Counter Intuitive Records)
トロントのインディポップアーティスト、Kicksieの2ndアルバム。突き刺すような力強い歌声ながら、ほっこりと温かみを感じる曲も収録されていたりと、楽曲の幅広さが魅力です。
あまり日本で話題になってなさそうなのが悔しい本作。結局「やかましい音楽」に帰ってきちゃう愛すべきパンクロックバカにもおすすめのインディーポップ作品、と言えば聴いてくれる人が増えたりしないかな。
Militarid Gun “Life Under The Gun”(Loma VIsta Recordings)
2022年にリリースされた作品をサラっと聴いたときは、メンバーが豪華な割にイマイチしっくりこないなーってのが正直な感想だったので、ここまで化けると思いませんでした。
1曲目、2曲目のインパクトが強くて、後半の楽曲はそこまで印象に残ってなかったりもするんですが、リリースされて2ヶ月〜3ヶ月ぐらいは聴きまくっていたアルバムです。
Ratboys “The Window”(Topshelf Records)
なんとなくいいなぁって感じる種類の音楽をやるバンドだって認識だったんですが、今作でその認識を覆されました。収録曲は多彩だし、聞くだけでポジティブになれる陽のエナジーが詰まっていて、1周聴き終わったら満腹さで幸せになれる作品です。
特にベストソングにも選出した #4 “It’s Alive!” は、パッと目の前が明るくなるようなイントロと、”It’s Alive!” と繰り返し歌うサビのパートに、何度でも元気を注入してもらえます。
Open City “Hands In The Honey Jar”(Get Better Records)
メンバー構成からしてもう説得力がハンパないんですが、自分よりも年上の人たちからこれほどまでの迸るエネルギーを感じられるのかと感銘を受けた作品。
もちろんメロディックな展開が聞ける曲が好物なんですが、展開やメロディーが単調な曲のパワーでねじ伏せる感もたまりません。
The Menzingers “Some Of It Was True”(Epitaph Records)
作品や楽曲ごとに「これはいい、これはビミョー」とかいうふうに判断できなくなってしまってるほど大好きなバンドなので、ベスト10に選ばないはずがないっていうね。
コロナ禍で活動を止めてしまったバンドの一つだっただけに、今作がどうなるかちょっぴり心配していたけど、#5 “Try” の臭すぎるイントロを聴いて心配は完全に吹っ飛びました。アルバムタイトルのオシャレさもイケてます。
Hotline TNT “Cartwheel”(Third Man Records)
ずっと追いかけてきたDIYな活動を続けてきたバンドがビックレーベルと契約したってのも感慨深かったし、そのリリース作品がこれまでの活動の上に成り立つサウンドだったのも感動した作品。
気だるさと気持ちよさのいいバランスを追求したら、ジャストでこの作品に収録されている楽曲が出来上がるんだろうなって思うほどのグッドミュージックです。
最後に。今回紹介した作品のうち Kicksie と Open City のアルバムは、自分が運営に関わっているディストロ「Pajammin Distro」で絶賛取り扱い中です。
もしフィジカル音源をゲットしたいと思った人がいたら、ディストロサイトを覗いてみてくださいね。