2021年に公開されたミュージックビデオのうち、特に印象に残った5作品を紹介します。
The Mighty Mighty Bosstones “THE KILLING OF GEORGIE (PART III)”
今年のベストミュージックビデオはこれ。何回みても元気もらえるからです。
コロナ禍において塞ぎ込みそうになっていたメンバーが、とにかく何かしないと、と思って制作した曲というだけあって、伝わってくるのはポジティブなマインド。映像としては、ダンス担当のメンバー、Ben Carr が 街の中でただ踊り続けているだけなんですけどね。
YouTube にアップされていたビデオはなぜか削除されていたんですが、Vimeo に映像が残っていて、ほっと一安心です。
The Mighty Mighty BossToneS – “THE KILLING OF GEORGIE (PART III)” from Eric Richter on Vimeo.
Fiddlehead “Million Times”
今年リリースされた、めちゃカッコいいアルバム “Between The Richness” のリード曲をフィーチャーしたミュージックビデオ。印象に残っているのは、ただ単純に雰囲気がカッコいいからです。
メンバーがそれぞれのスタイルで演奏していて、その後ろでリアルタイムにアート作品が出来上がっていくシンプルな構成。メンバーの服装もアート作品も、青を基調に黒、グレー、白でまとまっていて、そういう統一感も素敵。
映像のディレクションを担当したのは、Fiddlehead のギターであり、Basement のメンバーとしても知られる Alex Henery 。バンドのメンバーにアートディレクターいるのカッコよすぎるでしょ。
Anxious “In April”
こちらも、ただカッコよくて印象に残っているMV。来年、デビューアルバムを Run For Cover Records からリリースすることが決まっている Anxious の楽曲です。
坂道を自転車でくだるシーンや、宝の地図っぽいものをみんなで見ているシーンは、絶対にグーニーズのオマージュやと思うんですけど違うんですかね。自転車に乗っているメンバーの服装とかも好みで、カーキ色のパンツが欲しくなります。
船に乗るシーンとラストのシーンで真上からのカットを取り入れてるんですが、その爽快感が曲の雰囲気にもピッタリ。なんで船の上で演奏すんねんっていうツッコミどころ満載のラストも、雰囲気がカッコいいから不思議と自然と見れちゃいます。
Awesome &roid “Yesterday”
音楽ナードの心を動かしまくってくれるのが、関東を拠点に活動するオルタナエモバンド Awesome &roid のミュージックビデオ。影響を公言している Drive-Thru Records 全盛期のバンドたちの有名MVのオマージュをこれでもかと入れ込んでて、手間のかけ方から感服しちゃう作品です。
映像だけじゃなくて、曲調やメロディーも、オマージュ元の楽曲からそれぞれ影響受けてるんじゃね?って、見れば見るほど新しい発見がある面白いMV。YouTube のコメント欄に、オマージュ元が書かれているので、わからないシーンがある人は参考にしてみてください。
Code Orange “Out For Blood”
今年、一番の衝撃を受けたミュージックビデオがこれ。DIYなシーンから独自のスタイルで一気にメインストリームを駆け上がっていったと思ったら、ここにきて、大衆受けしそうなサウンドを放り込んできたもんだから、びっくらこきました。
でも決して大味ではなくて、細かいところのこだわりが積み重なった出来てる楽曲なんですよね。で、その楽曲の魅力を3倍にも4倍にも引き上げてくれるのが、このミュージックビデオなんです。。
個人的に好きなのが、観客を前に演奏しているメンバーそれぞれのパフォーマンス。合いの手っていうんですかね、曲のつなぎのちょっとしたところのカメラの切り替えがめちゃくちゃカッコいいので、ぜひ目をこらして細部までチェックしてみてください。
ミュージックビデオって、それぞれかなりの手間をかけて作られているだろうから、公開されたらニュースサイトで取り上げるようにしているんですが、個人的には記事にするだけで消費してしまって、最後までじっくり観ないことがほとんどなんですよね。
もちろん申し訳なさは感じる一方で、上にピックアップしたようなミュージックビデオは、ちょっと見ただけで引き込まれる何かがある作品やったりするので、ストリーミング時代の曲の作り方の話じゃないですけど、最初の数十秒間ってめちゃくちゃ大事なんやろうなぁって思います。