オーストリアのいぶし銀メロディックパンク、ASTPAIの最新作、”True Capacity”をレビュー。
アメリカとかイギリスとか、周りに同じように系統のバンドがたくさんいる環境ではないのに、毎年のようにフロリダのFESTに出演したり、世界中にファンがいるバンド。もはやベテランと呼べるぐらい作品は出してるけど、あんまりアルバムを聴き込んだことがなくて、今回いい機会やと思って聴いてみた。
このバンドにしかない絶妙なバランス感覚は、もはやクセと呼んでも余りあるぐらい。絶妙に気持ち良くないっていったら悪口やけど、なんでこの要素たちを一つの曲としてパッケージングしたんだって質問したくなるバランス感覚。そして、それがASTPAIというバンドをしっかり定義してる。
ギターの音色や勢いは、ヨーロッパにたくさんいる高速メロディックなんて呼ばれ方をするバンドっぽさがあるんやけど、ミドルテンポでドシっと構える楽曲の構成は、The FlatlinersやArms Aloftといったバンドにも似たような雰囲気がある。んで、たまに、なんだこれ?っていうハードコアパンクがぶちこまれるのが面白い。
残念ながら、アルバム全体を通して最高!とはならなかったけど、曲単位でいいなぁと思う曲はいくつもあったし、こういうバンドはライブが絶対いいやろなぁって想像できる力強さを持った音源。あらゆる音楽ごった煮のオリジナリティ溢れる楽曲を聴いてみたい人は、ぜひチェックしてみてください。