[Disk Review] Petal “Magic Gone”

ブロードウェイ女優としてもニューヨークで活動しているSSW、Kiley LotzによるソロプロジェクトPetal。苦悩を乗り越えてリリースした3年ぶりのアルバム、”Magin Gone”のレビューです。

 

先行公開されていたオープニングナンバー”Better Than You”は、芯のあるドラミングが特徴の元気な曲やけど、それ以外はしっとりと歌いあげるエモーショナルな曲が並ぶ作品。特にA面の曲は、伸びやかな高音が美しさを超えて力強さを感じさせる。

A面は歌声に力を入れた曲が多くて、B面はメランコリックでどこか寂しげな曲が多いなぁって思って聴いてたけど、よくよく調べてみると、この作品は明確にA面とB面で違いを持った作品らしい。その証拠にA面には” Tightrope Walker” 、B面には”Miracle Clinger”っていうサブタイトルがそれぞれ付けられている。

もともとペンシルバニア州出身やったLotzは活動の幅を広げるためニューヨークに移住。でも、慣れない土地での生活からか、心の調子を悪くしてしまう。その、もがき苦しんでる間に作ったのがA面、そこから回復して作ったのがB面というわけ。


 

象徴的なのは一見アップテンポで元気な印象の”Better Than You”の歌詞。苦悩しながらステージに立ち続ける自分を、別の視点からもう一人の自分が眺めて歌っている。基本的に自分と向き合っていろんなことに悩んで、いろんな結果を受け入れて、っていうのがアルバムのテーマ。メンタルを回復した後に作ったB面の曲でも、人間関係、とくに愛する人との別れが描かれた曲とかがあって、しんみりした曲調と物悲しい歌声も手伝って、グッときちゃう。

全体を通して「美しい」という言葉がぴったりの作品。ギターの音色も曲によって繊細に使い分けてるのも素敵やし、Lotzの歌声の変化を一曲一曲の中でも感じられるアレンジもイケてる。プロデュースは、安心安定のWill Yip先生ってことで納得というより感服してしまうやつです。

普段、バンドサウンドを聴いてる人にとって、SSWのアルバムを40分ほどまるまる聴くのってもしかしたらハードルが高かったりするんかもやけど、聴き終わったあとで確実に心が浄化されたのを感じられるので、ぜひ聴いてみてください。

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