今年の5月にリリースされた、オハイオ州・クリーブランドのインディーロックバンドThe Sidekicksの最新アルバム”Happiness Hours”をレビューします。
ほんと大好きなバンドなんです、The Sidekicks。自分がバンドのことを知ったのは、深みのあるインディーロックサウンドっていう今のバンドのベースとなる部分を作り上げた作品、”Awkward Breeds”から。
バンドを結成した高校生の頃は荒々しいパンクロックをやっていたけど、 ”Awkward Breeds”で確実に音楽性の幅を広げ、続く”Runners In The Nerved World”は名門Epitaphからのリリース。そして、今作”Happiness Hours”はEpitaphからの2作品目になります。
いやー、過去最高傑作でしょ、これは。クールな印象の曲も多かった前作と比較すると特に感じるのが、作品を通して温かみを感じるということ。やさしい、やわらかい、まろやか、ほっこり。そんな言葉がぴったりな曲が並ぶ。まさにジャケットやタイトルから受けるイメージの通り。
前作で多用されていた裏声も、使われてないわけじゃないけど、圧倒的に少なくなっている。そして代わりに際立っているのはメロディーの良さ。歌い方で工夫しなくても、素晴らしいメロディーとアレンジにグッとくる。
曲の繋ぎとかも意識してトータルとして素晴らしい仕上りの作品やから、曲を個別に取り上げて紹介しても良さを伝えきれないんやけど、一曲だけ聴いてメロディの良さを知ってもらうには#7″Weed Tent”が一番かな。あと、サビのメロディーがどことなくJ-Pop感のある”Serpent in a Sun Drought”も名曲です。