タイトルだけ読んでも「何を紹介しようってんだ?」ってなってしまうと思いますが、存在を知った時、おもわず「すげー、なんだこれ」と口に出してしまったのが、アメリカのフィラデルフィアを拠点に活動する音楽プロジェクト、fail better, heal fasterです。
音楽性で言うとキラキラと美しい旋律が魅力のEmo。Twinkle EmoやMath Rockに分類されるようなテクニカルなギターが特徴の音楽ながら、しつこさは皆無。爽やかでキャッチー、つまり最高な音楽です。
今までに公開されている音源は、2017年にリリースされたフルアルバム、”fail better, heal faster”のみ。bandcampにて全曲ストリーミング再生とname your priceでのデジタル音源購入が可能です。
このプロジェクトについて驚くのは、そのオフィシャルサイトに訪れたとき。そこに書かれているのは、このプロジェクトでライブやツアーを行う予定はなく、一切の利益を上げようとも考えていないという内容です。
じゃあ、何を目的に作られた音楽なのか。それは、あらゆる人のためのセラピーとしてなんです。いろんな形の虐待に苦しむ人、失敗から立ち直れない人、自分の人生には価値がないと考えてしまう人。そんな人たちが「回復」するのはとても難しいことで、この”fail better, heal faster”は、そんな人たちのために作られたということです。
パンクロックやその周りの音楽って、曲がいいってだけでなく、その音楽が持つメッセージや、その音楽に込められた熱量みたいなのがあってこそ、素晴らしい、カッコイイってなるもの。このfail better, heal fasterを見つけて、久しぶりにその基本的なことを思い出しました。
あらゆる人にとっての音楽セラピー、fail better, heal faster。ぜひ音楽を聴いて感じて、英語を読める人は歌詞を読み込んでみてください。きっと感じることが、それぞれにあるはずです。