2018/8/18 (Sat) Pure Arrow Fest 2018 @金沢gateBlack
And Protector / Hollow Suns / Fatal / Justice Pork (One Day Reunion) / Wrong State / Up To You / Lifeless City
Pure Arrow Festに遊びに行ってきた。主催のPure Arrow Recordingsは、Fatal/Kickasrayの丸山くんとLifeless Cityの水野くんがやっている金沢のローカルレーベル。
ハードコア色の強いイベントになることが多いけど、この日はAnd ProtectorとHollow Sunsのスプリットリリースツアーを兼ねていて、いろんな音楽性のバンドが出演していた。
イベントのトッパーを飾ったのは、地元のハードコアバンド、Lifeless City。等身大っていう言葉がこれほど似合うバンドもいないと思う。
飾らずに一曲一曲が全力投球。ハードコアのライブってステージングも含めてクールに決まってるライブをかっこいいと感じることが多いけど、メンバーみんなで好きなことを楽しんでやってる感がステージから伝わってくるところに良さを感じるライブやった。
続いても地元勢、Up To You。インディーロックやエモ、オルタナを絶妙なバランスでミックスした日本では珍しいバンド。海外のバンドで例えるとCitizenやBasementのような雰囲気で、その辺りのバンドが好きなんやなってことが伝わってきた。バンドの音楽性だけじゃなくて、
そのバックグラウンドにあるカルチャーみたいなところも好きで海外に影響を受けてるんやろうなってことを感じるライブで、それを上手く表現出来てて楽しいやろうなぁって思いながら観ていて、なぜか自分も嬉しい気持ちになった。
続くWrong Stateは大阪のハードコアバンド。ハードコアに対する接し方は違えど、ライブハウスという空間が好きなのは同じメンバーで構成される、とにかくエネルギッシュなバンドです。体を動かしたくなる曲の構成や展開は見事というしかないし、とにかくカッコいい。なかなか煮え切らないフロアにもどかしそうにする場面もあったけど、最初から最後まで熱いパフォーマンスやった。
ライブ後に発表されたけど、仕事の都合でボーカルのノブくんがこの日ラストライブ。パワフルなボーカルはWrong Stateの魅力の一つやっただけに残念やけど、バンド自体は止めずに活動していくみたいです。
この日、個人的に一番異色やと感じたのが、福井のJustice Pork。いわゆるメロコアバンド、オープニングSEとともにメンバーが入場してきて懐かしさを感じた。おそらく、一番多くの人がライブ中に手を挙げてたのがこのバンドのライブやったと思う。
バンドはすでに解散していて、この日一日限りの再結成。Justice Porkを一番の目当てに会場に来てた人も多かったと思うし、ハードコアが好きでさっきまでモッシュしてた人も両手挙げてシンガロングしてた。会場に集まっていた人は自分よりも若そうな人がほとんど。そんなお客さんたちが、すでに数年前に解散しているバンドを前にアガっている光景を目の当たりにして、ローカルシーンの素晴らしさを感じずにはいられなかった。
金沢という場所の素晴らしさを感じたのは、続くFatalのライブも一緒。若さ溢れるメンバーがとんでもないクオリティーのライブをするんやから。等身大なライブをするLifeless Cityとは対照的に、見せ方を工夫したパフォーマンス。イントロでソウルフルなSEを流したり、曲に合わせて言わばポーズを決めたり。
でも、そこに表れているのは好きな音楽を全力で表現したいというピュアな気持ち。だからこそ一曲一曲にフロアが沸いていたんやと思う。若い力を盛り上げようというMC。この日会場に集まっていた人は本当に若い人が多くて、そのことに感動していた中での言葉にグッときた。(それ以上にうまく表現できなくて薄っぺらい文章になってるのが残念)
フェスを締めくくったのは、スプリットツアーを行っている2バンド。
Hollow Sunsは今まで観た中で一番演奏がタイトやった。連続して演奏した初っぱなの3曲は特に完成度が高くて、ライブの数をこなしてきた結果かなと感じた。音源を知っているからこそなんかな、目の前で繰り広げられてる演奏のクオリティーに、めちゃくちゃ大きなライブハウスに遊びにきてるような錯覚すら覚えた。
自分の興奮具合とは対照的にフロアはおとなしめ。ミドルテンポのオルタナサウンドに合わせてどうやって体を反応させるかって難しいよなとは思いつつ、パンクロックのライブとしては若干寂しいよなっていうのが正直な感想。ラストを飾ったBelieve Inではシンガロングが起こっていて、この流れが広がっていくのが理想的なライブやなぁってことを感じた。
And Protectorのライブも、大阪でみるのと比べるとフロアがおとなしめで新鮮な印象やった。一曲目から会場が前のめりになる光景を当たり前のように想像してたから特にびっくりしたのかも。でも、心震わす曲にフツフツと気持ちを高揚させている人が多かったように思う。
すでに5枚を数える音源から満遍なく披露する構成は、ベテランバンドのような印象すら覚える安定感。荒削りな過去の曲をサラっと演奏しつつも、全体としてはバンドの成熟を感じるライブやった。
この日出演していたバンドのスタイルはそれぞれ違うし、観に来ていた人の楽しみ方も違ったけど、ライブハウスという空間の楽しさをビンビンに感じるイベントでした。