コーチェラに出演が決まったMannequin Pussyの声明が興味深かった件

Photo from warszawa

少し前の話題になりますが。アメリカ最大級の音楽フェスであるコーチェラに出演することが決まったMannequin Pussyの声明が、とても興味深かったので紹介します。

その声明とはこちら。ツイートには全部で4枚の画像が添付されていて、テキストでびっしりと埋められています。

 

ここに書かれている内容を箇条書きで翻訳すると、以下のような内容になります。

・コーチェラの運営母体であるAEG(全米第2位の音楽プロモート会社)は明示的に行っていないものの、オーナーであるPhilip AnschutzはアンチLGBTQの団体に寄付を行っていた過去がある。

・Pitchfolk(アメリカのインディーミュージックメディア)によると、その寄付は2016年以降は行っていないらしい。

・AEGが持っているネットワークの大きさを考えると、AEGが関わるイベントをボイコットすることは考えられない。アメリカのライブハウスのうち半分は、AEGかLive Nationによって運営されている。

・ニューヨーク市を例にあげると、Brooklyn Steel、Music Hall of Williamsburg、Rough Trade NYC、Terminal 5、Webster Hallなんかは全てAEGが運営している。ボストンでも似たような状況だ。

・だから多くのバンドにとって、AEGのようなメジャーな会社と繋がりを持たないということは、この先やっていけないということを意味してしまう。

・たくさん時間をかけて検討したが、多くの観客に自分たちの音楽を届けられること、そして女性、POC(Person of Colour)、クィアのメンバーがいるバンドを代表して多くの人に観てもらえるということを考えて、コーチェラに出演することを決断した。

・今回の決断に賛成しない人もいると思うが、AEGのオーナーがアンチLGBTQの団体に寄付をしていた事実を知った上での決断である。もし不快な思いをする人がいたら申し訳ない。ライブハウスの極端な独占によって音楽業界に暗雲が立ち込めているなかで、今回のような決断は簡単ではなかった。

 

上記のような内容を読んで、自分がびっくりしたのは2つの事実。コーチェラを運営する会社のオーナーがアンチLGBTQ団体への寄付していたこと、そしてLive NationとAEGによるライブハウスの独占が進んでいること、です。

日本と比べると、アメリカの方がバンドやVenueの数が多いし、音楽シーンにおけるLGBTQへの寄り添いが進んでいるイメージで、いいなぁって思ってたんですが、決していい側面だけじゃないんだなと、ちょっぴり残念な気持ちになりました。

 

ただ、ポジティブに捉えるなら、今回のMannequin Pussyのステートメントのおかげで、自分の好きな音楽を取り巻く環境に、こういう残念なことがあると知れたこと。何にしても、まずは知るってことが大事やと思うんで。

とりあえず、まだ一度もMannequin Pussyを聴いたことないって人は、去年リリースされたアルバムが最高すぎるので、音源をチェックしてみてください。コーチェラのステージでもカマしたって欲しいなー。

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