先日、アメリカ・ボストンを拠点にするインディーレーベル Run For Cover Records が、突如として新しいロゴを発表しました。
RFCこと Run For Cover Records は、 Tigers Jaw や Balance and Composure、Hostage Calm といったバンドをリリースしていた2010年頃からずっと好きで追っているレーベル。新しいロゴが発表されたときに思ったのは、「自分がずっと好きで追っているレーベルで、2回もロゴを変更したレーベルは RFC が初めてかも!」ということでした。
そこで、他にもロゴを2回以上変更した海外のインディーパンクレーベルってあるのかなってことが気になったので、記事にまとめてみることにしました。
単にロゴの変遷をまとめただけじゃなくて、それぞれのロゴ時代の特色や所属アーティスト、自分との関連性なども書いているので、ぜひ差最後まで読んでみてください。
Run For Cover Records
まずは、トピックとして挙げたRFCから。これまでに2回のロゴチェンジがあります。
手が象徴的なロゴ
2010年〜2011年頃は、この手が象徴的なロゴやったと思います。残念ながら、いつまでこのロゴが採用されていたのか、記録が残っていません。
Title Fight に Basement、Tigers Jaw に Balance & Composure、Modern Baseball と出てくる新しい好きなバンドは全部 Run For Cover 出身やったといっても過言ではありませんね。
フリーメイソンっぽいロゴ
そして、こちらが長い間おなじみやった2つ目のロゴ。一人暮らししてるときにベットの横にフラッグを飾っていたら、遊びに来た会社の同期に「フリーメイソン入ってるん?」って言われたのを覚えています。
もともとはパンクレーベルという認識やったレーベルが、どんどんインディーに傾倒していって、前のブログでは「RFCは変わってしまった…」みたいな記事を書いたこともありました。でも、また近年は好きな要素が少しずつ戻ってきていて、今年のリリースを控えているNarrow Head とかめちゃくちゃ楽しみです。
No Sleep Records
次にロゴが変わったで思いついたのが、No Sleep Recordsでした。一時期はリリースが途絶えてしまって自然消滅するのかなと思っていましたが、ここに来て一気に盛り返している感があってワクワクするレーベルです。
コーヒーの定番ロゴ
やっぱり No Sleep といえば、レーベル名から自然とイメージできるコーヒーがあしらわれたこのロゴの印象が強いと思います。2006年創設と、まさに Run For Cover Records と同時期に一つのムーブメントを起こしたレーベル。なんと言っても、The Wonder Years の名盤 “The Upsides” のオリジナルリリースの功績は語らずにいられません。(今は権利が Hopeless Records に移っちゃってます。)
文字文字しいロゴ
いまいち印象にないのが、この文字文字しいロゴ。時代的にいつ使われてたのかも不明で、画像検索してもProperty of Zack に使われてるのしか出てきませんでした。Major League の CD のジャケにこのロゴが書いてあったようななかったような。(下のビデオは No Sleep 時代ではありません。)
最新のイエローロゴ
もしかしたら、あまり浸透してないんじゃないかなーって思う今のロゴ。ショッキングな黄色も含めてレーベルのロゴって感じみたいですね。O の文字が目を表してるようで、 ALL のキャラクターみたいやなぁって思っちゃいます。現在の No Sleep はモダンエモ、モダンポスコアの宝庫ですね。
Hopeless Records
Run For Cover、 No Sleep ときたら、外せないのは Hopeless Records でしょう。ロゴと一緒に所属バンドやイメージがガラっと変わった好例やと思います。
オールドスクールファンにおなじみのスプーンロゴ
Hopelessったらこのロゴっしょ、っていうそこのあなた、確実に私よりも年上です。いわゆる「ショボポップパンク」なバンドがたくさん在籍していた時代は、このロゴでした。ブックオフディグでは、Vagrant のロゴと並んでよく見かけました。
スクールカースト上位感あふれる今のロゴ
分かりますかね、このスクールカースト上位感。なんでしょう、アメフト部とかチアリーディング部っぽいデザインが原因なんですかね。All Time Low や Neck Deep、The Wonder Years などが看板バンドです。つい最近、Tigers Jaw が契約してびっくらこきました。
ちなみに、このロゴになる前に、少しトゲトゲした感じのロゴも存在していたようです。
Fearless Records
調べた中で唯一、ちゃんと変遷の歴史がアーカイブされていたレーベル。こういうの、他のレーベルのんも残ってるといいのになーって思っちゃいます。
ニンジャみたいなロゴ
よくブックオフディグで見かけたよなーって思うのがこのロゴ。ただし、どんなアーティストが所属していたのか検討もつきません。自分がよく見かけたのはコンピレーションアルバムやったような。アーカイブサイトによると2003年まで、こちらのロゴやったみたいです。ってことは、At The Drive-In の名盤にもこのロゴが付いているのか…
今の時代にこれやったら渋くてイケてるなって思うロゴ
2004年から2012年まで続いたロゴ。Sugarcult や Plain White T’s といったバンドと契約して一気に大きくなると、Alesana、Breathe Carolina、Blessthefall といったバンドと契約し、いわゆる「ポストハードコア最盛期時代」を築き上げました。
自分は上記のようなポストハードコアは全然好きじゃなかったので、ほとんど縁はなかったんですが、唯一 Every Avenue は好きで聴いてましたね。 Four Year Strong と一緒に来た初めての来日は、ライブハウスでぴょんぴょん跳ねてた気がします。
水色が爽やかな印象のロゴ
で、こちらが最新のロゴ。水色のアクセントがかなり爽やかに見せてくれますね。相変わらずポストハードコアレーベルの位置は保ちながらも、そこに Tonight Alive、Real Friends、Chunk! No, Caption Cnunk! など、アゲアゲ系のポップパンクバンドもラインナップされるようになっていきます。
個人的には、1stアルバムでビッグになったバンドを連れてきて、2ndでいまいち伸び悩むっていう失礼すぎるイメージを持っているレーベルです。唯一、Real Friends だけ一番いい時期に押さえたなって思います。
Pure Noise Records
基本の考え方は変えずに、少しずつロゴのマイナーチェンジを行っているのが Pure Noise Records。Run For Cover、No Sleepとならんで、一番パンクに熱中していた時期にお世話になった大切なレーベルです。
岩石の巨兵感ある初期ロゴ
伝わるのかなーこの表現。知ったときにこのロゴやったので、一番好きなロゴですね。
The Story So Far の 最初のジャパンツアーのとき、サポートベースとして来日していたのが Pure Noise Records のオーナー。Pure と Noise っていう対照的なワードを組み合わせたの超イケてる!って話したのを覚えてます。
一番見慣れたPNロゴ
続いて登場したのが、PとNに省略されたロゴ。カレッジカラーのエンジとネイビーの組み合わせも、もはや安心感があります。このロゴになってからどんどんと大きくなり、State Champs や Vanna 、I Call Fives、Handguns など一時代を築いたバンドたちのリリースを次々手がけました。
一番好きなのが The American Scene というバンド。2012年にリリースされた名盤 “Safe For Now” は、ふとしたときに聞きたくなる思い入れの深い作品です。終わりがくるのを怖がらないって歌っておきながら、本当は怖いんでしょっていう世界観、これこそがエモです。
PとNがクロスした最新ロゴ
このロゴをみたときに、正直「ダサっ」って思ったのは自分だけじゃないはず。でも、この変な記号みたいなのが最新のロゴです。
ポップパンクシーンの飽和とともに、レーベルとしての勢いも衰えちゃうのかなーって思っていましたが、ここ最近、Spanish Love Songs、Masked Intruder、Just Friends、Year of the Knife と様々なジャンルとの契約を行い、依然としてインディーパンクレーベルの中で確固たる地位を維持し続けています。
最近やと、やっぱり ハードコアパンクバンドの Drug Church が一番好きですかね。Pure Noise からリリースされた最新作は、いいバランス感でマイルドになってるので、メロディックパンクが好きな人はぜひチェックしてみてください。
Vagrant Records
今回調べてみて、その変化に一番驚いたのが Vagrant Records。ロゴも所属アーティストも、自分の予想だにしないことになっていました。
パンク・エモファンにおなじみのボクサーロゴ
今回、初めてロゴをまじまじと見たことで、シルエットになっているのはボクサーらしき人ってことを知りましたが、パンクやエモファンにとって、Vagrant といえばこのロゴですよね。
どんどんとメジャーなシーンへと羽ばたいて行った、Dashboard Confessional、Saves the Day、The Get Up Kids、Alkaline Trio といったバンドを手がけた名レーベルです。
何もかもがスタイリッシュな最新ロゴ
調べていて最初にこのロゴを見つけたとき、同名の別レーベルが立ち上がっているのかと思いました。というのも、Vagrant Records はすでに活動を終えたと思い込んでいたので。
でも調べてみると、あの Vagrant のロゴが新しくなったということを知ってびっくり。しかも、所属アーティストを調べてみると、なんと The 1975の名前があって、これまたびっくり。他にも PJ Harvey や Pete Yorn、Mayer Hawthorne といったアーティストの作品を手がけていて、かなり様変わりしていることを知りました。
以上、海外インディーパンクレーベルのロゴ変遷をまとめてみました。
手掛けるアーティストの音楽性が少し変わった段階でロゴを変えているレーベルが多くて面白かったです。今回の Run For Cover Records の新ロゴも、まさしくそのパターンかなと思います。
あと、いろんなレーベルを調べる中で、もうアクティブじゃないと思ってたレーベルが意外と息を吹き替えしているってケースにも結構遭遇しました。こちらに関しては、また別記事で特集してまとめたいなって思います。
ちなみに。夜中の貴重な自由時間を3日間ほど費やして仕上げた記事なので、ぜひ読み終わったらシェアしてくださると嬉しいです!