ファッションも音楽も、トレンドは20年周期で繰り返すっていいますもんね。
ここ最近、00年代前半に流行ったラウドロックの流れを汲む新曲や音源をリリースするアーティストが多くなってきたのが興味深いなぁって思っています。
“00年代前半に流行ったラウドロック”ってフレーズは、その時代を生きた人にしか伝わらない可能性がある(ラウドロックは和製英語)ので、バンド名をあげて説明すると、Linkin Park、Slipknot、Limp Bizkit あたりのミクスチャーロックに始まって、The Used、Finch、My Chemical Romance あたりの Post Hardcore とか Screamo とか呼ばれるあたりのサウンドです。
最初に「これ、リバイバルだなぁ」って感じたのは、つい先日リリースされた Save Face のニューアルバム “Another Kill For The Highlight”。アー写からジャケットからMVから、何から何まで狙って「マイケミっぽさ」を演出してるのがすごいなぁって思う作品です。細かいところで言えば、bandcampの視認性の悪さも00年代前半のウェブサイトっぽさあるなぁって思っちゃいます。
ちなみに、Save Faceは、もともと全然違う音楽性のアーティストです。たとえば、こんな感じ↓↓
Save Face の新作だけなら、「面白いコンセプトアルバムやなぁ」ぐらいで終わってたんですが、昨日から今日にかけて公開された2つの新曲で、「これはシーン全体でリバイバルの流れが来てるのでは?」って思うに至りました。
まずはどストレートにタイトルにしちゃってる、イギリスのロックバンド As It Is。その名も “I Miss 2003” です。曲調もさることながら、ミュージックビデオに登場するメンバーやオーディエンスが、いわゆる “ゴスメイク” ってのも面白いですね。歌詞にも当時の音楽からの引用がたくさん登場してます。
で、もう一つ、意外な角度からリバイバルを感じたのが Code Orange の新曲。もともとヘビーで攻撃性のあるメタル/ハードコアを鳴らすバンドですが、新曲はめちゃくちゃダンサブルなんですよね。ミュージックビデオやアー写のメンバーの見た目も含めて、Slipknot 直系なのはさすがにびっくりしました。
なんでこんなことが同時多発的に起こっているのかは分かりません。でも、一度発生したこのトレンドは、しばらくフォロワーがポロポロ出てくることになるんじゃないかなぁって思ってます。
あと、そもそも上でまとめたような音源が出る以前から、Glass Beach や Proper. のように、00年代前半の音楽に影響を受けてるっぽいバンドは出てきてるし、今後もそうやって、単に焼き増しじゃなくて、影響をオリジナリティに昇華させる新しいバンドが出てくると面白いなぁってのも思ってます。