自分が思っていた以上に反響のあった、Brian Fallonのツイート内容について本気で考えた企画。
ようやく自分の中で納得できる解釈ができたので、続きの記事を書いてみました!
ちなみにそのツイートについて書いた過去記事はコチラ。以下に貼ったツイートの解釈を試みるも、スッキリとは理解できなかったっていう内容でした。
Pitchfolkで高評価されてるレビューを読んでOso Osoの新作を聞いてみたら、めっちゃ良かったって内容はわかったんですが、特に最後のUnlessから始まる文章の意味がわからなかったんです。
I’m asked if I think music critics/reviews matter in 2019…I read Ian Cohen’s piece on “Basking in the Glow” by Oso Oso – it made me find 1 of the best albums I’ve heard all year. So u never know. Unless it’s bad stuff on me, then theyre always wrong & don’t matter at all.
— 🍁Brian Fallon🍁 (@thebrianfallon) August 20, 2019
これを正しく理解するためには、一つ知識として足りないことがありました。それは、Oso Osoの新譜のレビューを書いたIan Cohenが、過去にThe Gaslight Anthem”Get Hurt”のレビューも書いているということ。これは、Twitterでリプをもらったのをきっかけに知りました。
そのレビューがコチラなんですが、点数がなんと3.0。なかなか高得点のレビューが出ないことで知られるPitchfolkですが、3.0はあまりにも低い数値です。要するに、過去にBrain Fallon (The Gaslight Anthemのフロントマンです)はひどいレビューを書かれているっていう文脈があってのツイート、と考えるべきってことなんですよね。
それを知った上でも、Unlessから始まる文章の意味がすんなりこなかったので、「もっと簡単な英語に直して!」とネイティブの友達に聞いてみることに。過去にインタビューにも答えてくれた、Wanderのメンバーの@ghoshalpaisenに聞いてみました。
Unless〜から始まる文章の意味を聞いたところ、簡単に言うなら「俺に対して悪く言うなら、そんなレビューはクソだし全く重要じゃない」って意味ってのが返ってきました。(彼は日本語が喋れます)
この返答ですっきりしたのが、”it’s bad stuff on me”の部分の意味。自分の中で勝手に”on me”を”for me (自分にとって)”と解釈してしまってたけど、正しくは”about me (自分について)”ってことみたい。なので、”bad stuff on me”は「自分に対する悪口」と訳せそうです。
ただ、依然として納得できなかったのが、”Unless it bad stuff on me”のところが、「俺に対して悪く言うなら…」と解釈されるというところ。Unless の用法は「〇〇しない限りは」なので、文法上はそうならないはずだけどなーと頭を悩ませました。
そこで、Unless A, then B に何か特別な用法があるんじゃないかと思って、参考文献を調べてみることに。すると、完全理解に繋がる例文を見つけたんです。
It’s free unless you don’t return it on time, then you have to pay the fine.
上記がその例文。コチラのサイトで見つけましたが、出典はCBS NEWSで図書館の人が話している会話らしいです。
これを意味の通るように訳すと、「時間内に返却しないということがなければ無料ですが、(そうでなければ) 罰金を払う必要がある」となります。
普通は「それで〜」のように順接で使われる”then”が、逆接の意味で使われているんですよね。
この例文と、Unlessから始まる文章には省略されているんじゃないかっていうアキオ(未リリースのアキオコンピの人)からのLINEを合わせて考えることで、完全にBrianのツイートを理解することができました。
Unless〜から始まる文章の冒頭には、ツイートの最初に書かれている”music critics/reviews matter”が省略されているんです。
つまり、解釈するべき文章は、”I think music critics/reviews matter unless it’s bad stuff on me, then they’re always wrong & don’t matter at all.”ということになります。
これを日本語に直すと、「俺に対する悪口じゃない限りは音楽レビューは2019年においても重要なものだと思う。でもただの悪口は完全に間違いだし、全く重要ではない」と訳せます。
Oso Osoの新譜をほめると同時に、過去に自分の作品に対してひどいレビューを書いたIan Cohenを批判するツイートやったってことですね。
はー、これで一件落着。すっきりしました。自分の解釈を助けるために、TwitterやLINEでコメントくれた方、ありがとうございました。
ちなみに、The Gaslight Anthemの”Get Hurt”は、それまでの音楽性とは大きくことなる作品なので、初めてThe Gaslight Anthemを聞く人には、断じておすすめできません(笑)
この記事でThe Gaslight Anthemのことを気になった人は、ぜひ”Handwritten”か”American Slang”から入って、そのまま過去リリースにさかのぼったあとで、最後に”Get Hurt”を聞いてみてくだささい。