誰かの心に火を付ける何かを残せる人間に俺はなりたい

Twitterのタイムラインがいろんな人の自分語りで埋め尽くされた日から、一日がたった。

朝起きて、洗濯を干しながら考え事をして出てきた感情は、「誰かの心に火を付けられるような人間に自分もなりたい」だった。

 


ハイスタとの出会いは、FATのコンピシリーズ第2弾 “Survival of the Fattest” にて。Wait For The Sunを聴いてハマった。全く洗練されてなくて泥臭いサウンドなのに、なんでこんなにカッコいいんだって。

直撃世代ではないから、まさかめちゃくちゃ有名で人気のあるバンドだなんて思ってなかった。海外で認められた無名の日本人バンドがいたんだなぁ、こんな隠れたバンドを発掘した自分ってすげぇぞ、ふふふ、なんて風に思ってた。

 

めちゃくちゃ人気で有名なバンドだと知るのは、Ken Yokoyamaの1stアルバムが発売されたとき。少ないお小遣いを握りしめて毎週土曜日に通っていた近所のツタヤで、Ken Yokoyamaのアルバムが大々的に展開されていて、その紹介POPにHi-Standardの文字があって、「?」ってなったっけ。

ツタヤでハイスタのCDが借りれるなんて思ってもなかったから、あまりの嬉しさに借りれる音源を一気に全部借りてMDに録音して、それからは聴きまくった。

復活ライブがあるとすれば、きっと全部歌詞を覚えている人が優遇されるに違いないっていう変な条件を自分に言い聞かせて、歌詞.com的なサイトで歌詞を全部コピペしてメモ帳に貼り付けて、実家のプリンターで全部出力して。一番最初に歌えるようになたのは”Glory”と”Dear My Friend”やった。

大学入学を機に始めたPUNX SAVE THE EARTHというブログのタイトルの別案は、New Lifeだった。

 


 

そんな思い入れの深いバンド、Hi-Standardのドラマーである恒岡章さんが亡くなった。

もちろんニュースには驚いたし、悲しい気持ちにもなったけど、みんながTwitterで自分語りしているような熱が自分からは湧いてこなかった。ライブも一度観ている、Fat Wreck Chordsの25周年イベントで。でも、そのときの光景や感情は思い出そうとしても思い出せなかった。

そういう状態に自分があることが、めちゃくちゃ悲しくなった。情報を情報としてただ受け流すことに慣れすぎた結果、言葉が適切かどうか分からないけど不感症のようになってしまってるんじゃないかって。

結局、ハイスタの曲も1曲も聞かずに寝た。

 


 

一夜明けてもなお、タイムラインは止まらない。会社の同僚の人も、このニュースに触れた一言を朝のあいさつとして投稿していた。

そうやって、ずっと情報に触れていたからやと思う、洗濯を干しながら、ふと Making The Road の1曲目 “Turning Back”を口ずさんでいた。

で、もちろん、そのまま “Standing Still” に続く。何百回と聞いた流れなので、続けないと気持ち悪いくらい。鼻歌よろしく「フフフー」だけでメロディーをなぞっていて、サビまで来たら自然と「Gonna Make It Alone, but since you went away time is standing still」って歌詞をはっきりと口にしていた。

「すげぇ、しばらく聴いてないのに、歌詞は残ってるもんやなぁ」、そう思ったが最後、めちゃくちゃ聴きまくってた当時のことを思い出したり、口ずさんだ歌詞の意味があまりにも状況にリンクしてるやんって思ったり、そうやって久しぶりに音楽で熱くなれる体験ができたことを嬉しく思ったり、そこで急に恒岡さんが亡くなったことが残念すぎることに思えてきたりで、感情ぐちゃぐちゃになって、気づいたらワンワン泣いてた。

 


 

で、そこからは一日中ハイスタの音源を聴いてました。

まだ若くして亡くなったのは残念すぎるけど、これだけ数多くの人の心に火を付けて、実際に行動を後押しするような何かを残したのって、カッコよすぎるよなってのが、今の感情です。

自分も身近な10人とか5人とかでもいいから、心に火を付けられるような人生を過ごそうと改めて思いました。

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