[Live Review] Dillinger Four Japan tour 2026 新代田 Fever

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D4を観に東京へ。たくさん観たいから、一刻も早く観たかったからとかではなく、フツーに家族との役割分担。

風が強くて “Feels like Winter in Apiri” な中を早歩きでバサノバに向かって、グリーンカレーソバをいただいた後で少し早めに Fever に到着すると、そこにはたくさんのお兄さん、お姉さんの姿が。

ライブ中は一人でいるのが好きやから、知ってる人の少ない東京でライブを観るのが結構好きなんやけど、この日ばかりはちょっと寂しさを感じるぐらいみんな楽しそうに喋ってて、歴史を重ねたパンクロック好きがみんなこの日を楽しみに集まったんだなぁと感慨深い気持ちに。

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1バンド目は初見の Baby Little Tablets 。自分にとっては Waterslide Records のカズさんが昔やってた(らしい)バンド、ぐらいの認識やったけど、シンガロングパートで手を挙げる人も何人かいて、集まってる人のパンクロック好き純度の高さに衝撃を受ける。全く曲知らなくても、これだよこれ、これがメロディックパンクなんだよって気持ちになれるライブ。20年以上たってオリジナルメンバーが集まるって凄すぎるし、だからこそ、ライブに行き続けよう、個人で企画する人をサポートしよう、という言葉も説得力しかなかった。

続く GAME & chips は、この日一番喰らった新たな出会い。フォーキーでミドルテンポな演奏に、熱量を爆発させたボーカルを乗っけるスタイルは、唯一無二ながらも確実にパンクロックを感じさせるカッケェ音。なんか勝手に”スモーキーなウイスキーみたいなバンドやなぁ”みたいなことを思いながら酔いしれてた。歌のないパートでのグングン高まるグルーヴ感もハンパなくて、完全に撃ち抜かれたなぁ。あとから Your Pest Band や WETNAP、Flower Zombies のメンバーが始めたバンドってことを知って、首がもげるほど納得。また観たい。

パンクロックヒーロー The Urchinが始まるころには、さすがソールドアウト公演と思う会場の詰まり具合に。GAME & chips とは対照的な、3ピースだからこそのソリッドな音でキャッチーなメロディックパンクが届けられて、待ってましたとばかりにフロア爆発。居てもたってもいられなくなって歳上の大人がハジケちゃう、パンクロックのライブでの好きな光景が見れて、やっぱりメロディックパンクって最高だなって思いながらライブを楽しんだ。

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そしていよいよ、お待ちかねのD4。楽しみすぎるライブって、ライブの始まりを今か今かと張り詰めた空気感でみんなが待つみたいな印象あるけど、結構早い段階でベースのPatさんがステージに登場して、フロアと言葉のキャッチボールを始めて、和やかな空気の中のままライブに突入した。

1曲目。ステージ上に見たことのある人(The No!のメンバーさんかな)がやってきて、例の日本語口上を完璧にこなす。そう、もちろん “!!Noble Stabbings!!”で、もちろんフロア爆発。そして、”Super Powers〜”、”A Jingle for” と続いて爆発は止まらない。今日が平日であることや自分の年齢なんてすっかり忘れて体をぶつけ合う人たちや、思い思いの表情を浮かべながら「ファッケムオー」と叫ぶ人たちに囲まれて、この上ない最高を噛み締める幸せな時間が流れていった。

あまりの盛り上がり具合に、3曲目終わりにMCをする Pat さんの目は確実にウルウルしていた。少なくとも自分にはそう見えた。前回の来日からかなりの時間が経って帰ってきたけど、こんなに盛り上がるなんて嬉しすぎる、パンクシーンは確実に脈々と受け継がれてるし、これからも育っていくべきだ、的なことを言ってたように思う。そして、そんなシーンについての歌という振りで流れてきたのが、folk song のイントロ。アツすぎて、自分の涙腺も崩壊した。

Fuck what they say,
It doesn’t matter anyway.
Only in the grave are you alone.

大声で涙を浮かべながらシンガロングした。軽く歌詞を聞き流して、セレブ層に中指を突きつける労働者階級のためのアンセムソングなのかなぐらいに思ってたけど、なるほど、確かに、パンクロックシーンについての歌だったのかって分かって、感極まった。

開始4曲目にして、それがこの日のライブの自分の中での一番のピークやった。良くも悪くも。そこからは、少し後ろに下がって、割と冷静な気持ちになりながらライブを見ていた。来日直前という奇跡的なタイミングで18年ぶりに公開された新曲”Don’t Happy Be Worry”をライブで始めて目撃した一人になれたのもテンションあがったし、The Festに行きたい気持ちを駆り立ててくれた自分の中のアンセム”Gainesville”のイントロが流れたときも幸せな気持ちになったけど、folk song.のイントロが流れた瞬間は超えなかった。それぐらい、心動かされた一瞬やった。

 

演奏に関しては、正直そこまでタイトではなかったと思う。YouTubeで何度も繰り返し見て、ステージ脇にいる人のリアクションまで覚えてしまったFest 12のライブ動画のコメント欄に、「こんなにタイトな演奏をしているD4は見たことない」って書かれてたなーってのをライブ中に思い出したりもしていた。それでもステージから迸ってくる熱量はハンパなかったし、メンバーはみんな楽しそうだったし、なによりイントロのワンフレーズがなっただけで「この曲だ!!」と反応できるパンクロックラバーたちが集まっていて、終始、最高のライブ空間やった。

前述のfolk song.のイントロ、”Gainesville”でもっと盛り上がるのかなぁって期待してたけどそこまでで、その次に流れた”Double whiskey〜”ですっごい声量の「D! 4!」が聞けたこと、アンコールの最後にこれぞメロディックパンクのお手本って感じで大好きな”The Great American〜”が聞けたことが、この日のライブのハイライト。あと、戦争や人種差別、性差別、ドナルドトランプに対してファックを突きつける姿勢を目の当たりして、嬉しい気持ち、心強い気持ちになるとともに、自分の気持ちも引き締まった。

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ライブ終わり、パンクロックが好きで本当によかったという気持ちでいっぱいになりながら宿泊先へと向かった。

D4のMCを頭で反芻しながら、今日のような素晴らしい日があるのは、この日集まっていたような自分よりも年上の人たちが、ずっと素晴らしい空間を繋いで来てくれたからなんだよなって思って、自分も何かしらでその活動に参加したいという気持ちが強くなった。

めちゃくちゃ久しぶりにこうやってライブレビューを書いてみたのも、この日の素晴らしいライブを観れたから。ありがとう。

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