Spotifyの新機能として、アーティストが個人で音源をSpotifyにアップロードされる機能が発表されました。
この機能はまだβ版で正式にリリースはされていませんが、近い将来実装されることになるんだと思います。
これまでは個人でSpotifyに音源をアップロードしようと思ったら、TunecoreやDistroKidといったサービスを利用する必要がありました。そういったサービスは使用料を支払う必要があるというデメリットが。コチラの記事で、利用料金のかからないサービスも紹介しましたが、まだ日本で気軽に使えるようにはなってないようです。
もしSpotifyの新機能が使えるようになったら、凄いことやなって思います。
自分はここ1年でメインで音楽を聴くのはSpotifyになったんやけど、唯一困るのがSpotifyには好きな国内なアーティストの音源が少ないこと。
おそらく音源をアップする側からすれば、アップするまでの作業が煩雑でめんどくさい(しかも手数料がかかる)ってのと、ストリーミングサービスに音源をアップしてもメリットがない(もしくは自分達のスタイルではない)ってのと、2つの理由があると思うんです。
でも、Spotifyの新機能が実現したら、上に書いた1つ目のマイナスの要因を消し去ってくれることになるんですよね。そうなるとSpotifyに音源をアップロードするアーティストが増えて、よりストリーミングサービスが一般的なものになる。そうすれば、ストリーミングサービスに音源をアップロードしないことがデメリットになる時代が来ると思うんです。
もちろん、ストリーミングサービスには、アーティストに正しく利益が還元されていないって批判もあるけど、自分はストリーミングサービス肯定派です。
その理由が上手く説明できないなと思ってたら、アジカンのゴッチさんのツイートが割としっくりきました。
俺が熱心にサブスクを勧めるのは、サブスクで音楽聴く人の人数が増えれば増えるほど、たぶんCDやレコードで音楽を聴く人の数も増えると考えてるからなんですよね。現状、再生の桁がふたつくらい少ないと感じる。ここが増えれば音楽家にも還元されるし、音楽ファンの裾野も広がると思うんです。
— Gotch (@gotch_akg) 2018年9月28日
個人が自由に音源をアップロードできるサービスとして、現在はSoundCloudとbandcampの2つがあります。
Spotifyの新機能が実現すれば、この2つのサービスは沙汰されるか。自分はそうは思いません。2つのサービスとも、サブスクリプション型のストリーミングサービスにはない特徴があって、その特徴がゆえにファンから支持されているからです。
特にbandcampは個人的に好きなサービス。音楽をビジネスだけではない視点で捉えていて、様々な慈善活動をする団体に売上を寄付する取り組みなどが評価されている印象です。音楽のビジネス的な側面は必ず必要と思いつつ、bandcampのやってることは理想的でクールなので応援したいなって思うんです。
便利な機能で音楽をより生活に溶け込ませて欲しいっていう観点では、音楽のみでビジネスをしてユーザーフレンドリーなUXを提供してくれるSpotifyを、文化的・政治的な表現手段としての音楽が正当な評価をされ続けて欲しいっていう観点では、理想的な方法でそれをサポートしてくれているbandcampを、それぞれ応援したいなって思います。
(参考記事: Spotify、アーティスト個人が自由に音源を配信&収益化できる新機能のベータ版を開始! | block.fm)