ボストンを拠点に活動するパンクロックバンド Fiddlehead が、新しいアルバム “Between the Richness” を5/21にリリースする予定です。
そのアルバムのリリースに先駆けてワクワクする情報がいろいろ上がってきているので、記事にまとめてみました。
Fiddlehead ってどんなバンド?
Fiddlehead を紹介する上で避けて通れないのは、ボーカルを務める Pat の存在でしょう。Pat こと Patrick Flynn は、ボストンの伝説的なハードコアバンド Have Heart のボーカルとして知られる人物です。
2009年に Have Heart が活動を休止したあとも、Sweet Jesus や FREE, Clear といったハードコアバンドで活動し続けていましたが、満を辞してといった感じで2014年から活動を始めたバンドが Fiddlehead なんです。
「満を辞して」というのは、自分が勝手にそう感じただけなんですが、その理由の一つがボーカルにメロディーのあるバンドだということ。ミュージシャンは年齢とともに、その成熟具合に合った音楽をやるイメージがあって、そうやって変化できるミュージシャンってカッコいいよなってのが自分の思い込みなんですが、そんな思い込み通りに、これまでになかった音楽性のバンドを始めたというのがデカかったです。あと、同じく Have Heart のメンバーである Shawn Costa も一緒に参加しているというのも「満を辞して」を勝手に感じた理由ですかね。
どんなバンド?って小見出しつけておいて音楽性を紹介せえへんのかいって感じですが、音楽性に関しては言葉で説明するよりも聞いてもらう方が早いんで、一番最初にリリースされた「キタコレ!」ってなった1st EP を貼っておきます。
収録曲 “Million Times” のミュージックビデオ
さて、新しいアルバム “Between the Richness” の話。一番最初に、新しいアルバムに関するコンテンツとして発表されたのが、収録曲 “Million Times” のミュージックビデオでした。
いやぁ、何がカッコいいって、まず演奏している空間の雰囲気とメンバーの佇まいですよね。一見バラバラながらも青色で統一されたメンバーの服装、力強さも感じる曲ながら淡々と演奏する感じ、曲に合わせてライブペインティングが行われているMVとしての新しさ、言及しろって言われたらまだまだ良いと思うポイントを挙げられます。
曲としてのバランス感みたいなのも本当に好きですねー。前に書いた記事と同じ内容になりますが、気だるさと爽やかさ、力の抜き方とインパクトの出し方、この辺の塩梅が抜群に気持ちいいんです。あと、イントロのギターの鳴りからのドラムの「タカドンタカドン」っていう入りは、一気にテンションをMAXまでぶち上げてくれる魔法フレーズっすね。
ちなみに、映像のディレクションを担当しているのは、Fiddlehead のメンバーであり Basement のメンバーとしても知られる Alex Henry。映像を仕事にしていて、今回のリリース元であるインディーレーベル Run For Cover Records で働いていたこともあります(今もそうなのかな)。Alex の映像で言うと、自分は Basement の AUS ツアーの映像が大好きです。
バンドの音楽性に影響を与えた曲のプレイリスト
続いて、新作 “Between the Richness” 関連で Run For Cover Records から公開されたコンテンツが、バンドが影響を受けた曲のプレイリストでした。今回の作品を作るにあたって影響を受けたというよりは、Fiddlehead というバンド自体が影響を受けた曲を集めたプレイリストみたいです。
Sonic Youth や Fugazi、The Cure などそうだよなーって思うアーティストの楽曲が収録されている一方で、自分が全然知らないアーティストや björk のような意外なアーティストの名前も並んでいて、ディグりがいがあります。
正直、Sonic Youth にしても Guided By Voices にしても Duster にしても、名前やなんとなくの音楽性、シーンにおいてどういう存在のバンドなのかは知っていても、ちゃんと聞く機会のないバンドって結構いて、そういうバンドを今更聞こうって気はなかなか起こらないんですよね。
でも、こうやって、好きなバンドが影響を受けた音楽として紹介されていると、聞いてみるぞ!っていう気分になれるので、こういうプレイリストは本当にありがたいし心躍ります。
LDB Fest 2020 のライブ映像
で、一番最近公開されたのが、昨年2月の Fiddlehead のライブ映像。新型コロナがまだ世界的な大流行になる前、ギリギリのタイミングで開催されたフェスですね。
Fiddlehead 以外には、Terror や Bitter End、Cruel Hand なんかがラインナップされていた王道のハードコアフェスってこともあって、フロアやステージにいるオーディエンスの状態は最高、熱気も素晴らしい雰囲気になっていますね。
しょっぱなにいきなり機材トラブルがあって Alex のギターが鳴らなくなってしまいますが、そんなこと全然気にならないカッコよさ。トラブルを受けて一瞬止めたりするところや曲と曲のつなぎ、Pat のステージング、メンバーのファッション性などイケすぎポイントが多すぎて、気づいたら時間を忘れて見惚れちゃってるやつです。
去年のライブってことで、これまでにリリースされた曲が中心のセットリストですが、後半にかけて “Between the Richness” の収録曲を2曲ほど演奏してます。まだ、音源としては公開されていないので貴重ですね。
とまぁ、こんな感じで、Fiddlehead の新作 “Between the Richness” のリリースが楽しみです。
リリース日は5/21の予定ですが、Run For Cover Records のウェブサイトではプレオーダーが始まっていて、すでに4000枚以上のレコードが売れているみたいですね。いやぁ、すごすぎる!
おそらく 2nd press と思われるレコードのプレオーダーも RFC のストアで引き続き受付中ですし、国内でも ICE GRILL$ や Like A Fool Records、Record Shop BAGISM など普段から Run For Cover Records のタイトルを入荷しているレコード屋さんで購入できると思うので、その点はご安心を。