簡単に手に入るもので心に刻まれる体験は得られるか

ある日の深夜、買ってきたポリンキーの袋を見たのをきっかけに、ポンポンポンと思考が駆け巡ったことを徒然なるままに書いてみた。

 

ポリンキーの袋を見てふと頭に流れた、ポリンキーのCMソング。でもその歌詞は、有名な「三角形の秘密はねー」の方じゃなくて、「タテヨコ〜、マルマル〜」で始まる絵描き歌の方やった。

ある箇所で歌詞の続きが分からなくなって、YouTubeで動画を探そうかなと思った瞬間に、小さい頃の思い出が蘇る。

当時、なんとしてでも全部歌詞を覚えて、ベルくん(ポリンキーのキャラクター)をCM通りに描いてみたいと思った自分は、テレビでそのCMが流れるのを心待ちにしていた。

CMが流れるとパッとテレビの方に駆け寄っていって、集中して歌詞を暗記。母親もポリンキーのCMが始まると、「さとし、来たよ!」って呼んでくれたりしてた。

暗記は昔から得意やったし、結局3回ほど見ただけで完璧に覚えたんやったと思う。でも、かけた労力や熱量は、YouTubeでサクッと検索するのと比べたら雲泥の差。

だからこそ、それから20年ほど経った今でも、ほとんどの歌詞を覚えてるし、懐かしい気持ちになるんじゃないか、そんなことを思った。

 

そう思ったときに、また別の出来事が頭に浮かんだ。

 

会社の会議で、「花火」をテーマに雑談する機会があった。

大人になってからの花火の思い出がない自分は、小学生の頃、毎年夏休みが来るたびに、おばあちゃん家で手持ち花火をしてたのが懐かしいっていう話をした。

夏休みにおばあちゃんの家に行くと花火がてきる、そんな風に楽しみにしていた出来事で、花火をテーマで話をしようと考えたときに、それが一番色濃くフラッシュバックしたから。

その会議があった日の帰り道。

近くの公園で、噴き出し花火を子供に見せているお父さんに遭遇したことで、大量に花火を買って、大人数で一度に点火した大学のサークルの夏合宿のことを思い出した。

大学生になって使えるお金が自由になって、噴き出し花火やロケット花火、その他いろんな演出を楽しめる花火を大量に購入して、ド派手に遊んだはずのその記憶。

でも、自分の中ではすっかり埋もれていたし、ごく一般的な手持ち花火を数人でやったおばあちゃん家での花火のほうが、素晴らしい思い出として輝いていた。

 

ポリンキーの絵描き歌が頭に流れて思ったことと、2つの花火の思い出を比較して思ったことが、どこかでパチンと繋がった。

そしてそれが、言語化はできないけど最近なんとなく思ってたことの輪郭を、ぐっと太くしてくれた。

 

「簡単に手に入るものが、そのあと心に刻まれる体験につながること、それはありえないんじゃないか。」

 

それが、いろいろ思考が繋がった結果、自分の中ではっきり形をもって現れた仮説。

正直、「オジサン」に片足を突っ込んでるからこそ出た仮説なんじゃないかと思って、そのあとで必死で仮説を打ち消してくれるものを探してみたりしたけど、逆にその仮説は正しいんじゃないかって思う出来事が次々と浮かんでくるだけ。

どうやらしばらくはこの仮説に支配されてしまいそう。

 

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最近、音楽を聞くのはもっぱらSpotify。スマホに入れたアプリで聞きたいアルバムを選んでGoogle Homeに繋いで流す、それが休みの日の午前中のルーチンになってる。

この前の休みの日に、ふと再生したのがBombshell Rocksやった。

スウェーデンのRancidなんて呼ばれたそのバンドは、Punk-O-Rama 4に収録されていた曲”The Will The Message”がカッコ良すぎて、高校のときに試合前とか受験前に絶対聞いていた自分にとって大切なバンド。

ネットで、どうやら1stアルバム”Street Art Gallery”に収録されてるみたいってのを知るも、身近な場所にそのアルバムを買える場所がなかった。一番近いそれっぽいCDショップは、電車で3駅離れた場所にあるHMVやったけど、取り寄せることもできないと断られた。当時のネットショッピングは高校生の自分にはハードルが高すぎて、どうすることもできず。

結局アルバムを手に入れれたのは大学生になってから。ほかにもどんどん好きなバンドが自分の中で登場してきていて、Bombshell Rocksへの熱は高校生のときほどではなかったけど、いざアルバムを手に入れてPunk-O-Ramaに入ってない曲もカッコいいことを知ったら、また熱が再燃して聞きまくった。その結果、今でもたまに聞きたくなる大切な作品になってる。

 

なかなか手に入れることができなかったけど、手に入れた結果自分にとって大切な存在になった音源が、今はSpotifyを開けば簡単に聞けてしまう。

もし、自分が高校生のときにこの状況があったとしたら、Bombshell Rocksは今も聞きたいと思うバンドになっていなかったんじゃないか。

さっきの仮説に心が支配されてしまっているからなのか、そんなことを考えてしまって、ちょっぴり寂しい気持ちになった。

 

 

簡単に手に入るものが、そのあとで心に刻まれる体験に繋がらないっていう自分の仮説がもし正しかったとしたら。

もしそうなら、テクノロジーが発達して何でも簡単に手に入るようになった今の世の中って、かなりピンチな状態なんじゃないのか。しかも、ある程度のお金を自由に使える大人なら余計に。

 

正直、仮説が正しいか間違ってるかを検証する方法って難しい。

だから、今やらないといけないのは、これからどうやって心に刻まれる体験を自分の力でゲットしていくかってことやと思ってる。

今のところ、その新たな課題に対する自分の中の答えはない。

そろそろ寝ないといけない時間なので、この日記はここでおしまい。

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