このブログを読んでよく見てくださっている方には、今さらの説明かもしれませんが。
明日6/19は奴隷解放宣言を祝う記念日、通称 Juneteenth。ジョージ・フロイドさんが警察に暴行を受けて亡くなったことに端を発して差別に抗議・反対するデモが盛り上がりを見せるなかで、Bandcampは6/19に得られた全収益をNAACP Legal Defense Fundに全額寄付することを発表しました。
つまり明日は、Bandcampでデジタル音源を買うことで、差別に対する抗議活動を支援できる絶好の機会。ということで、Bandcampでデジタル音源を購入する方法を説明する記事を書くことにしました。
そもそもBandcampって?
まずはじめに、Bandcampって何?っていうそもそも論から。すでに知っている人は読み飛ばして次の見出しに進んでください。
Bandcampは音楽の配信および販売プラットフォーム。アメリカで2007年に作られた会社で、本拠地はカリフォルニア州のオークランドにあります(2019年には実店舗もオープンしています)。アメリカのプラットフォームですが、世界各国のアーティストやレーベルが利用してますね。
一番の特徴は無料で音源をストリーミング再生できること。もちろんアーティスト側がストリーミング再生できるような形でサイトにアップしている必要がありますが、Bandcampを使うほとんどのアーティストが全曲を公開しています。何回も連続で再生していると「音源を買ってね」のようなモーダルが登場しますが、それ以降厳密に聞けなくなるってわけでもありません。
またプラットフォーム上でデジタル音源を購入することも可能。さらにはECショップ的な機能もあるので、Bandcamp上でフィジカル音源やTシャツなどを購入できるようにしてるアーティストやレーベルも多いです。あと、ダウンロードコードをBandcampに入力するとデジタル音源がダウンロードできるって使われ方(DLコード付きレコード)も多いですね。
Bandcampで買えるデジタル音源の値段のタイプ
Bandcampで買えるデジタル音源の値段のタイプは大きく4つです。
name your price 方式
最近見かけることが多く、Bandcampが流行らせた概念でもあるのが、name your price(NYP)という値段設定。日本語にすると「あなたで値段を決めてね」という意味になり、自由に値段設定が可能です。
多くの場合「0」という数字を入れて無料で音源をダウンロードすることも出来ちゃいます。基本的には価値を自分で判断してねということなので、わずかでもお金を払うのが健全な考え方なんですが、「ぜひぜひ無料でダウンロードしてね」というテンションでname your priceの値段設定が選ばれている場合も多いです。
〇〇円以上
さすがにname your priceにするのは気が引けるけど…というアーティストやレーベルが選択する値段設定が、〇〇円以上というもの。これは設定された金額以上なら何円でもいいよっていう意味で、name your priceの条件付きバージョンといえます。
こっちだとユーザー側も最低金額が分かるので払いやすいっていうメリットがありますね。海外のパンク系アーティストのフルアルバムの場合、5ドル以上か10ドル以上っていう設定が多い気がします。
値段指定
一番オーソドックスなはずなんですが、意外と見かけることが少ないのが「〇〇円です!」と値段を指定して販売するケース。が、一応この設定も選べるはずです。
デジタルディスコグラフィー方式
最近レーベルが設定していることが多いのが、デジタルディスコグラフィーという方。〇〇円以上払うと、そのレーベルがbandcampで配信している音源を全て購入することが出来るっていう内容です。
値段はレーベルによってまちまちですが、たとえば自分のディストロ Pajammin Distro で昔から音源を取り扱っている Counter Intuitive Records の場合は、30以上の音源をなんと1ドルから買えちゃいます。まぁ、ユーザー側からすれば、「安く買えてラッキー」というより「このレーベルをサポートしたいな」と思って利用する機能ですね。
購入前にBandcampのアカウントを作るのがおすすめ
Bandcampでデジタル音源を購入しようと思ったら、まずはアカウントを作成するのがおすすめです。音源を購入する場合は、ファンアカウントを作りましょう。メールアドレスとパスワード、それにユーザー名を入力すれば、すぐにアカウントを作成できます。
アカウントを作るメリットは、購入した音源がコレクションという形で表示できること。Bandcampのスマホアプリをインストールして、アカウントにログインすれば、購入した音源をダウンロードすることなくアプリ上で再生できるので、Bandcampをそのまま音楽再生アプリとして使えちゃうんです。
もちろん Spotify や Apple Music のアプリを使っている人からすればメリットが感じられないかもしれませんが、Bandcampの場合は音源に対する対価を払ってアーティストをサポートできる分、サブスクよりもアーティスト(特にインデペンデントなアーティスト)に入るお金が一般的に多くなります。
ちなみにアプリで再生できるようにするには、name your priceの音源でも、1ドル以上払う必要があるので注意してください。
Bandcampでデジタル音源を購入する手順
さぁ、それではいよいよBandacampでデジタル音源を購入する手順です。例として、name your price 方式で売られている Spraynard の “Funtitled” をスマホから購入するときの画面を載せて説明しますね。(”Funtitled” は Spotify にないので購入したかったんです。)
- 音源の画面から「デジタルアルバムを購入する」をタップする購入したい音源のページに辿りついたら、ジャケット、再生ボタンの下にある「デジタルアルバムを購入」をタップします。ちなみに、家族や友達に音源をプレゼントできる「ギフトとして送る」という素敵な機能も存在します。
- 購入する値段を入れる値段を入力するモーダルが開くので、ドルマークの横の四角エリアに支払ってもいいなと思う値段を入力します。そのあと、支払いに進む場合は「レジに進む」、まだ買い物を続ける場合は「カートに入れる」を選択しましょう。
- 購入を完了する
先ほどの画面で「レジに進む」を選択すると、自分の場合はすでにアカウントにクレジットカードが紐づいているので、下記の画面が表示されます。初めての場合は、支払い方法をクレジットカードもしくは paypal から選んで必要情報を入力してから以下の画面になります。
金額が日本円でも表示されるので、それを確認して間違いがなさそうなら、「購入を完了」をタップして購入完了です。
Bandcampでデジタル音源を買うおすすめタイミング
最後に、Bandcampでデジタル音源を購入するおすすめタイミングを紹介します。
まずは明日6/19(金)。冒頭でも述べたように、Bandcampの収益を NAACP Legal Defense Fund に全額寄付する日です。人種間の平等、公平、そして変化をサポートするための活動であることがコチラで述べられています。ちなみに、自分が支払った額全てが寄付されるわけではなく、Bandcamp が販売手数料として受け取る15%の金額が寄付されます。ちなみに日本時間だと、期間は6/19の16:00から6/20の15:59になります。
また、7/3(金)もおすすめのタイミング。コロナウイルスの影響で被害を受けているアーティストに向けた支援策として、通常は15%の販売手数料がかかるところを、この日は全額がアーティストやレーベルに入ります。Bandcampは5月からずっと月の第1金曜日にこの施策を続けていて、すでに発表されている限りでは7月が最後の月になる予定です。
もちろん、「この音源いいな」って思ったタイミングが音源を購入する絶好のタイミングであることは間違いないんですが、6/19や7/3という機会をきっかけに好きな音源をBandcampで購入してみてください。これまでの流れだと、7/3に向けては、多くのアーティストが新しい音源や未発表曲をリリースすると思います。
以上、長々とBandcampについて説明しました。
そもそも記事を書いている当の本人が、フィジカル音源(特にレコードとカセットテープ)とサブスクを愛用しているので、「みんな、音楽を聞くならBandcampで音源買わないと!!」と強く促すことはできません。
でも、アーティストのことや社会のことを考えた行動を行っている素晴らしい企業だと思うので、サポートしていきたいなという気持ちがあります。この記事を読んで少しでもBandcampの良さを感じたら、6/19 や 7/3 はBandcampで音源を購入してみてください。