その時その時で、音楽メディアを中心にジャンル的なトレンドを表すワードが登場しますが、5th Wave Emo と時を同じくして、今確実にトレンドワードになっているのが “Ska Revival” です。
「〇〇 は Ska Revival バンドだ」のように使うのではなく、Ska Punk が盛り上がりを見せている状態を表す言葉なんですが、その状態を作るのに間違いなく貢献しているバンドを中心に、自分の好きな Ska Punk バンドを紹介したいと思います。
Bad Operation
自分が Ska Revival というものを意識し始めたのは、このバンドが登場した時でした。Fat Wreck Chords に所属するパンクロックバンド PEARS のメンバーの呼びかけにより2019年結成、昨年12月にデビューアルバム “Bad Operation” を Bad Time Records / Community Records からリリースした、新進気鋭のバンドです。
明るくてキャッチーなスカパンクなんですが、フロウだったりハモンドオルガンの音だったりがルーツレゲエからの影響を感じさせる仕上がりで、今までにありそうでなかった、まさに “New Tone” なサウンドを築いています。ジャズ生誕の地ニューオーリンズで結成されたっていうコンテキストも込みでアガっちゃうバンドですね。
Skatune Network
元々はいろんな曲を Ska Punk 風にカバーする YouTube チャンネルとして始まった Skatune Network。いまや Counter Intuitive Records から2枚のアルバムをリリースするアーティストです。新しい世代に Ska Punk を持ち込んだということで、Ska Revival に最も貢献しているアーティストやと思います。
今でもいろんなアーティトとコラボしながら、積極的に Ska Punk カバーをYouTubeに更新していってます。
We Are The Union
気付けば結成から15年以上を経過して、中堅〜ベテランと呼べる年数になっている Ska Punk バンド。デビューアルバム “Who We Are” では Ska Punk × Easycore みたいなサウンドでしたが、今や王道の Ska Punk サウンドで、直近でリリースされたアルバム “Ordinary Life” はフィジカル音源がめちゃくちゃ売れてるみたい。
ミシガンで結成されたバンドながら今はロサンゼルスを拠点に活動していたり、2015年に上で紹介した Skatune Network の Jeremy Hunter がメンバーとして加入したり、最新作をリリースするタイミングでリードボーカルの Reade Wolcott がトランスウーマンであることを発表したりと、いろんな変化を見せながら現在もアクティブに活動し続けているのは嬉しい限りです。
Catbite
2018年、フィラデルフィアで結成された Ska Punk バンド。The Interrupters を彷彿させるストロングスタイルの楽曲が魅力です。
Ska Revival という言葉が盛り上がりを見せ始めている中、今年の8月にフルアルバム “Nice One” をリリースすることを発表。先行公開された楽曲 “Call Your Bluff” がめちゃくちゃカッコよくて、アルバムの期待もあがりまくりです。
The Bruce Lee Band
Asian Man Records の創設者 Mike Park や Jeff Rosenstock、過去には Less Than Jake や RX Bandits のメンバーも所属したベテランスカパンクバンド。Ska Revival を牽引するというわけではありませんが、今年、めちゃくちゃ久しぶりに音源をリリースしました。
先行公開された楽曲 “Division In The Heartland” は、アメリカで問題になっていたコロナに端を発するアジア人差別について取り上げています。世の中にメッセージを発するため、バンド活動を再開し音源を発表するの、ありきたりな感想やけどやっぱりカッコいいです。
Kenka Kick
最後は日本のバンドを紹介。大阪を拠点に活動する、Ska / Melodic Hardcore バンド、Kenka Kick です。元々違うバンド名で活動していたみたいなんですが、今の音楽性に変化するタイミングでバンド名も変更。そういうのん、大好物です。
昨年、海外のレーベルから音源を出すってのが話題になってて聞いてみたんですが、最初に聞いた時の感想は「ユナスケやん!」でした。United Skates や Fruity のような Ska Punk が好きな人は絶対好きなやつなんで、絶対に聞いてみてください。今この時代にこの音はアツすぎます。
以上、Ska Revival というセンセーショナルでインチキな言葉を使って、ここ最近気になっている Ska Punk のバンドをまとめて紹介しました。
Emo Revival もそうやけど、Ska は一度も死んだことなくて、急にリバイバルって言われてもなんやねん!って感じやと思いますが、そのジャンルを好きな人がそのジャンルを盛り上げるための言葉やと思って、眉間にシワを寄せることなく「ふーん」ぐらいで思っておいてください。
Ska Punk でいえば、今年リリースされた The Mighty Mighty BossTones のアルバムもめちゃくちゃ良かったんで、まだ聞いてない人はチェックしてみてくださいねー。観れば100%ゴキゲンになれる “THE KILLING OF GEORGIE (PART III)” のミュージックビデオだけでも是非!
The Mighty Mighty BossToneS – "THE KILLING OF GEORGIE (PART III)" from Eric Richter on Vimeo.